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■ 「コミュニケーション&コラボレーション」がキーワード

 近年、「人=コスト」といった側面ばかりが取り沙汰され、誤った能力主義・成果主義の浸透によって「不出来な従業員は切り捨てればよい」などといった風潮が色濃くなっていることを憂慮する。そういった「人を大切にしない会社・社会」が、果たしてまた力強い成長を取り戻すための確たる基盤を持ち得るのだろうか。小泉内閣誕生後の首相所信表明演説で有名になった「米百俵の精神」こそ、我々がまず、取り戻さなければならないものなのではないだろうか。

 そして、ITの進展こそ、プラスに利用すべきである。いうまでもなく、ITは手段であって目的ではない。ITによって人間が隅に追いやられるのではなく、ITによって人間の活力をいかに徹底的に引き出すのか、考えるのだ。

 ITの最大のメリットは「仕事を効率化する」という様々な機能をもたらしてくれることである。それによって、本来人間にしかできない「知識創造」を活発化し、それをあらたな価値の源泉としよう。

 事例紹介(ケーススタディ)で取り上げた広島のメガネチェーン店の21(トゥーワン)では、「社員全員で経営する“運命共同体企業”」を経営の理念に据え、上げた利益はすべて社員で分配しているほか、イントラネットを縦横に活用して、全社員に人事考課や新商品の開発プロセスを公開している。その根幹にあるのは、「企業存続のためには、社員のモチベーションを促進し、パフォーマンスを最大化させること」という信念である。

■ 教育をはじめ、根底から組み立てなおす

 2002年5月、自由民主党から「知財立国宣言――知的スパイラルによる日本の再生を目指して――」というレポートが発表され、昨秋の臨時国会で「知的財産基本法」が成立した。世間からはあまり注目されなかったが、それが日本を根本から変える、真の「構造改革」を推進する原動力となる可能性があると、我々は考える。

 同レポートには、「たとえ高コストであっても、勝ち抜ける産業構造をつくりあげることこそ、日本の目指すべき方向である。(略)画一的平均点型社会から、個性重視、天才教育型社会の形成へと政策を転換していかなければならない。このことは教育をはじめ根底から日本社会を組み立てなおすことを意味する」と書かれている。

 教育をはじめ、根底から組み立てなおす必要があるのは、企業もまったく同じだろう。

 今回のBizTech Special「元気な会社のためのIT活用術」のキーワードは、識者のインタビューと先進3企業の取材によって、「コミュニケーション&コラボレーション」にあることが分かった。

 あなたの企業でも、何か始められないか。変えられないか。さっそく参考にしていただければ幸いである。


日経BP社 「BizTech Special」編集部

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