一方、ITの急速な進展によって、ビジネスの効率化が進んでいる。製造者と消費者がネットを通じて売買する、あるいは企業同士がネット上で直接取引きするなどの「中抜き現象」が浸透し、コスト削減が大きく進んだ。
この「中抜き現象」は、企業組織においては中間管理職の排除という“効用”ももたらした。ヒエラルキー(ピラミッド)型組織において、経営と現場をつなぐ「経営情報の加工・浸透役」という指示命令機能をもって部署を差配していた中間管理職は、ITによる経営と現場の直結、プロジェクトチーム型組織の導入などにより、存在価値の変容を迫られている。
特別インタビューをお願いした、アクセンチュアのシニア・マネジャーである山崎将志氏は「“ピラミッド型の統制型組織”から、プロジェクト単位の“ネットワークコラボレーション型組織”への移行、といった経営改革が求められている」と強調する。大幅に権限委譲されたリーダーが現場に密接し、臨機応変に意思決定していく仕組みづくりが肝要なのだ。
さて、こういった激動期のさなかにいる我々ビジネスパーソンは、再び活力と成長を取り戻すために、一体どのように対処していけばよいのだろうか。
「いまこそ人材教育が大切である」と、我々は訴えたい。
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