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● 「社員全員で経営する“運命共同体”企業」として、大きな注目を集めている企業が広島にある。直営21店舗、フランチャイズなどで約125店舗のメガネ店を展開する21(トゥーワン)だ。
● 「利益は内部留保せず、すべて社員の賞与、もしくは値下げに使う」「社員の評価や賞与支給額はじめ、ほとんどの経営情報はイントラネットで公開する」「新製品の開発も、メーカーとのやり取りをネット上で公開する」・・・。これらは、「“企業の存続”のためには、社員のモチベーションを高めるしか方策はない」と信じ、ひたすら「経営の民主化」を実践している、21の極めてユニークな経営戦略の一例だ。
● しかも、イントラネットを経営システムの根幹に据え、縦横無尽に使いこなすことで、教育効果も存分に発揮させている。その画期的な戦略の背景と効用をレポートする。
21の経営戦略が実効を挙げていることは、業績を見れば一目瞭然だ。2001年度の賞与は、従業員一人当たり単純平均で280万円を手にした。
■ 経営トップの権限をことごとく“弱めている”

 21の経営戦略において、とりわけユニークなのは、経営トップの権限をことごとく“弱めている”ことにあると言える。社長は、商法で定められている法制上、置いてはいるが、「社員から尊敬される会社の顔」といった役割程度しか持たない、という。任期は4年で、それが過ぎると普通の「取締役」に戻る。報酬にも上限を定める決まりがあり、いくら業績を挙げても、上限を超えると商品の値下げなどに還元される。それらの理由を21のコーディネーター(注)である平本清氏は次のように語る。

 「たとえ企業のオーナーであっても、企業を“私物化”しようとした瞬間、つまり経営者の欲の皮が張り始めた瞬間から、従業員は幸せではなくなるという、弊社創業メンバーの実体験が原点にあります。ですから、その正反対のことをやろうと思っただけです。社長ではなく、社員全員で経営する――理念だけではない実際の仕組みを考えて導入したわけです」。

(注)「コーディネーター」とは名刺上の肩書きであり、21本部の仕事内容にふさわしいということで、社員の一人が適当につけたのをその後、他の社員もまねている。ただし、実際は「コーディネーターの平本さん」とは呼びにくいため、ほとんどの人がただ「平本さん」と呼んでいるという。
■ 「北朝鮮」と「サンマリノ」
コーディネーター
平本 清氏

 21の創業メンバーが受けた実体験とは、次のようなことである。

 同社は、平本氏のほか3人によって設立された。創業メンバーの4人は、それまで21と同様の、とあるメガネ店チェーンに在籍していた。「人の使い方が天才的にうまい初代の創業者」(平本氏)は、異論や反論を言う人間しか幹部に登用せず、自由にモノが言える企業風土を作っていたという。

その創業者が会長に退き、娘が2代目の社長に就任するや、権力を振りかざすようになって社内の環境は急速に悪化。同族の専務と主導権争いの内紛を起こし、平本氏らは会長に退いた創業者に新社長の更迭を直訴した。

その要望が聞き入れられ、新社長は解任されたが、その3カ月後に創業者は急死。創業者の株を相続した2代目は堂々と社長に復帰して、平本氏ら約100人の社員を粛清人事で退職に追いやってしまった。

 「分かりやすいので、あえて例に出しますが、いま、世界で一番“倒産の危機”に瀕している国は北朝鮮でしょう。なぜそうなるかというと、金正日だけを崇め奉り、次世代を担う人材が育たないからです。我々は、その正反対であるサンマリノ(編集部注:イタリア国土の中にある小国)でありたいんです。サンマリノでは、元首は必ず4年おきに代わり、裁判官は全員、海外からスカウトするそうです。4世紀初頭といわれる建国以来、サンマリノには自由と平和を守り続ける仕組みがある。そして私は、北朝鮮とサンマリノをどちらも経験しているのです」。

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