|
21の店内 |
次に、「社員の評価や賞与支給額はじめ、ほとんどの経営情報はイントラネットで公開する」点だ。
平本氏は、ここでも超・常識的な理由を説明する。「皆さん、よく『人を評価する』と言いますが、本当に正確な評価はできますか? 神様でもない限り、無理ではないでしょうか。しょせん人の評価なんて、間違っているからです。だからこそ、評価をすべて公開して、『この評価は間違っていますよ、皆さん。だから、異議がある人は、どうか申し出てください』と言っているわけです。」。
社員の評価点は、上司がつけたものをみんなで議論して決めているという。仕組みとしては100点満点のうち、何点になったかが、その人の評価である。この点数に従って、会社が上げた利益が公平に分配される。賞与の支給額が評価点で左右されるだけに、自分の評価点については、各社員ともさぞ敏感に反応すると思われるが、「当初は数人が文句を言ってきましたが、今は一人も言ってきません」(平本氏)。
平本氏は続ける。「誰が評価しても、10点の違いは起きません。でも、1点、2点の違いは逆に誰にも分かりません。もし、あなたが21の社員としたとしましょう。で、評価点が75点が妥当なのか、それとも76点なのか、いや、77点なのか。誰でも納得できるように、明確に説明できますか? 多分、本人にも分からないと思います」。
1点、2点の評価を精緻にするには、膨大な手間と時間、コストがかかる。「もし実施すると、その手間などにコストがかかり、賞与は20万円になる。そんなことより、“いい加減”で申し訳ない分、コストを省いて賞与を80万円にする。どちらがいいか、と社員に尋ねたら、ほぼ全員が後者を選びましたね」(平本氏)。
|