20世紀型の従来システムは、コスト換算しやすいものでしたが、これからの21世紀型システムは「コスト換算しにくい」「測定効果が分からないことも多い」と思っています。例えば、コミュニケーションのツールとして、従来の電話に加え、現在は電子メールが不可欠になっているわけですが、電子メールシステムを導入したことによる最終的なコストメリット(効果)の測定は困難を極めます。直接的に人が減ったり、在庫が減ったりしませんからね。
しかし、メールシステムの導入による効果は確実にあるわけです。これは皆さん、否定されないでしょう。導入前後の違いを収益コストで換算するのは難しくても、具体的なストーリーにして説得力を持って説明することは可能です。例えば、ナレッジマネジメント使用前、使用後では、業務の進め方が具体的にこんなに大きく変わり、それによる業務時間削減がx%、リードタイムの向上がy%などなど。ストーリーを作る力。最近、特に重要ですね。
「どうせ上の連中は、ITは分からんから提案しても無駄」という考えから、「ITを導入することが目的でなく、やりたいこと、仕事の生産性を上げることを分かりやすい具体的ストーリーを持って提案する」という本来の発想に立ち返って考えれば、業務に欠かせなくなっているメールなどのITの重要性をきちんと訴えることができると思います。実は、我々コンサルティングの仕事は、そういったことをすることなのですが(笑)。
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