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具体的なケースを教えて下さい。 |
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ファカルティ・オン・ザ・フロア | 例えば、英国にユニパートというロジスティクス(物流)サービスの企業があります。ユニパートでは、継続的なコスト削減を行うことを日常業務としていますが、そのために"創造的革新"を生み出すツールを使いこなしています。それが、ユニパートの物流センターに設けられた、「Faculty
on the
Floor」(フロア内分校)と呼ばれるブースで、内部にはイントラネットにアクセスできる端末が並んでいます。
そのイントラネットは「Our
Contribution Counts
Circle」(OCCサークル:みんなの貢献総覧サークル)という名称で、そこに4000件ほどの過去の成功事例が蓄積されています。従業員は、日々、回転率の改善やリードタイムの短縮などといった、担当部署のコスト削減のために手がかりとなる事例を検索し、有効と思われる方法を自ら学び、インスパイアされて、新たな方策を考え出して実践します。それが成功すれば、「貢献ボタン」という名前のボタンを押して、新たな成功事例としてOCCサークルに登録されるというわけです。
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e-ラーニングが事業のプロセスに組み込まれているわけですね。 |
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我々は「業績を上げる場での、業績と学習の同期化」と表現しています。この“同期化”というところが、変化の時代に事業目的を実現するための能力開発や組織開発の仕組みをデザインする最重要のポイントではないか、と考えています。
この新しい試みによって、「個人やチーム、組織は、顧客や市場の変化を誰よりも早く発見し、新たな事業を生み出すことのできる独自の能力を持ちうる」という仮説がいま、立証され始めていると見ているのです。
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一部のエリートだけではない、末端の現場こそ新たな事業機会、利益を生む、と。非常に興味深い、参考となる考え方ですね。どうもありがとうございました。 |
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